刑事弁護の基本的な流れの解説

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刑事弁護は、犯罪で起訴された被告人の権利を守り、無罪や減刑の獲得を目指す法的プロセスです。日本の刑事司法では、捜査から裁判、判決まで複数の段階があり、いずれの段階でも弁護士の役割が重要となります。

以下では、当事務所で刑事弁護を取り扱う際の基本的な流れをご紹介します。

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捜査の開始と初期対応

通常例えば、被害者の通報や目撃情報がきっかけとなり、警察の捜査が始まります。この時、犯罪を行ったと疑われる人のことを「被疑者」といいます。(容疑者と同じような意味ですが、法律上の呼称は被疑者とされています。)

この段階で被疑者が特定されていなければ、自首を検討する余地があります。法律上の自主が成立する場合には、裁判官は減刑「できる」とされています(刑法42条)。また、逮捕や勾留などの身体拘束にも影響する可能性はありますが、法律に直接の定めはありません。(自白のメリットについては、改めて別記事にて解説します。)

弁護士に早めに相談いただければ、自首の同行や、警察の取り調べへの対応策のアドバイス、早期の示談交渉など、捜査段階での弁護活動をすることができます。

逮捕と勾留

逮捕による身柄拘束は最大72時間(警察署で48時間、検察送致後24時間)続きます。

その後、検察官が勾留を請求した場合に、裁判所がこれを認めると10日間拘束され、必要ならさらに10日延長(最大20日)されます。

この期間、被疑者は弁護士と面会することができます。勾留中は仕事や生活に影響が出るため、迅速な対応が欠かせません。弁護士は早期の身柄開放に向けた弁護活動を行います。身柄開放に向けた弁護活動としては、例えば、勾留理由の開示請求をする、勾留決定に対する準抗告をすることなどがあげられます。

勾留理由の開示請求とは、刑事訴訟法82条に定める手続きで、公開の法廷で行われます。被疑者や弁護人が裁判官の前で勾留に対する意見を述べる貴重な機会となります。勾留(または勾留延長)決定に対する準抗告は刑事訴訟法第429条に定める手続きで、裁判所の決定に対してその取消しや変更を求める手続きです。

なお、一般にいう国選弁護は、上記の勾留の段階で選任されますので、逮捕がされた段階では弁護人がいない状態となります。逮捕当日や職務質問や任意同行の段階での弁護活動、在宅事件の弁護活動につきましては、私選弁護のご依頼をご検討ください。

検察官による処分

通常、勾留の終了までに検察官は被疑者を裁判にかける(起訴する)か否かを決めます。不起訴になれば事件は終了します。

弁護士は、示談のための弁護活動や、無罪獲得に向けた弁護活動を行い、検察官に対して本件を不起訴として終了するよう説得します。

なお、この時点で罰金刑となる見込みの場合には、検察官の請求により略式起訴となります。略式起訴となった場合には、法廷での公判は行われず、罰金刑の支払いが命令されて事件が終了します。

起訴となった場合には、被疑者は改めて被告人と呼ばれます。(ちなみに、被告という呼称は民事裁判での呼び方です。)

公判段階

起訴後、裁判所で公判が開かれます。概要としては、検察官と弁護士が今まで収集した証拠等を提出し、または証人の証言を法廷で聞き、検察官の論告、弁護人の最終弁論でそれぞれの主張を行ったら終了です。判決は通常1~2週間で下されます。

起訴後は1~2か月ほど後に公判が開かれます。それまで身体拘束が続くことを回避するため、被告人は保釈を申請できます。裁判官が逃亡や証拠隠滅の恐れがないと判断すれば許可され、保釈金は事件の重大さや経済状況で決まります。

最後に、判決に不服があれば14日以内に控訴をすることができます。

まとめ

以上のとおり、弁護士は捜査段階や公判段階はもちろん、場合によっては捜査の開始前から事件に関与することができます。

刑事弁護は複雑で、最長でも数か月と民事事件と比較して短期間で終了してしまうことも多いですが、人生に非常に大きな影響を与えます。

逮捕前から弁護士に相談すれば、自首や示談で有利な結果を得られる可能性が上がります。また、起訴後は特に戦略的な対応が必要となります。

警察官から連絡があった、犯罪に当たる行為をしてしまったかもしれない、紛争の相手方から警察に通報するといわれているなど、もしも刑事事件に発展してしまう可能性を感じられたならば、すぐに弁護士にご相談ください。

また、在宅事件だからといって、放置は厳禁です。被疑者となってしまった場合にもすぐにご相談ください。ご家族からのご相談でも大丈夫です。

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